只今迷走中ブログ

方向性が決まらない!

存在価値を決定づけるもの

これに対して、NCSの考え方は、これらの各部分をネットワーク内に存在する各種のコンピュータに実行させ、全体として一つのアプリケーションの実行環境に統合しようとする。まず、回路図入力やデータベース使用は、ファイル・サーバやデータベース・マシンのように、データの入出力が高速に行なえ、データの管理に向いているコンピュータで行なう。ルール・チェックは、ルール・チェックに関する演算がある程度高速に行なえるコンピュータで行なう。大規模かつ超高速演算を必要とする解析/シミュレーションは、通常のマイクロプロセッサをベースとしたコンピュータでは無理なため、スーパーコンピュータ、ミニスーパーコンピュータ、あるいはスーパーワークステーションで行なう。テストに関しては、テスト専用の自動テスト装置そのものを使う。そして、グラフィックスを中心としたユーザー・インターフェイス部分は、ワークステーションの得意とするところである。これら各種のコンピュータは、ネットワークを介して接続されており、必要なデータをやりとりしながら、一体として動いていく。NCS以前にも、ネットワークに接続されたコンピュータ間で、コンピュータの構成要素、すなわち資源の共有は行なわれていた。しかし、この共有はすべてコンピュータ間でのデータの共有であり、機能的にはファイル転送やリモート・ファイル・アクセスであった。これに対して、NCSは資源共有の対象をCPUに向けたものである。NCSは、いままでの共有の対象からはずされていたCPUを共有の対象に加え、従来、一つのアプリケーションが、ネットワーク内に存在するデータを共有したのと同じように、ネットワーク内に存在するCPUも共有する。NCSは、いままでのデータの共有に置き換わるものではなく、データの共有に、CPUの共有を加えるものである。この意味から、NCSによリネットワーク内のすべての資源の共有が完成したといえる。NCSのような新しい利用形態、第四のアーキテクチャが登場するようになった時代的背景としては、つぎのようなものが挙げられる。ネットワークの定着ネットワークが社会のインフラストラクチャとして定着し、ネットワークの社会といわれるようになっている。コンピュータにとっても、ネットワークはその存在価値を決定づけるものになっている。そして、ネットワークが一般的に使われるとともに、ネットワーク自体もますます大規模化してきている。